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待ちに待った鋳造が上がってきました。これが吹き上がりという状態です。
花の部分が複雑な形をしているので綺麗にキャストできるか心配でしたが、無事に18金のホワイトゴールドになりました!一安心。
ブチンとニッパーで切られている箇所が湯道といってここから溶解した金属が流し込まれた跡になります。


磁気バレルという機械でしばらく研磨した後、細かい部分のエッジなどを仕上げていきます。
このように極細の糸鋸歯を使って彫り込みました。ヤスリなどは入るスペースがありません。


二つのパーツに分けて進めていましたが、いよいよドッキングの段階。
細い棒状のものは先端が鋳造の工程で再現されない場合があるので、あらかじめ0.5㎜ほど長くしてあります。
現物合わせで削りながら、慎重に位置関係を調整していきます。


二つの部品を溶接しますが、その際に炎を当てると少し動いてしまうことが多いです。
それを防ぐために仮止めしておきます。スポット溶接のイメージ。


いよいよ本溶接をする時が来てしまった…。
花の部品と、細い枝先ををロー付けします。
このような、ボリュームに差があるもの同士の溶接は結構難しくて緊張です。
顕微鏡で見ながら、ピンポイントで溶接していきます。


ガスバーナーの向きを工夫して、二つの部品が均等な温度になるよう炎を当てていきます。
怖いのは温度を上げすぎて、必要な場所を溶かしてしまうこと…
この18金のパーツよりも少し早く溶ける合金(ローという)を使って溶接します。高温にすることでロウは液体化し、毛管現象で隙間に流れ込みます。


無事に溶接完了!(緊張した…)


酸でしばらく煮込んで、溶接時に使用した薬品を溶かします。
その後またしばらく機械で研磨。


次は石留め…
の前に、石を入れてからでは磨けない部分を研磨しておきます。
石が留まる部分(石座)の中も磨いておくことで、少しでも石が光って見えるようにします。
ダイヤモンドペーストで番手を変えながら細部を磨きます。
凹はどうしても狙い撃ちして磨かないと磨けません(そりゃそうだ)


入手しておいたアメジスト。
これを留めます!


お湯で柔らかくなる樹脂を使って、石留めのための準備。
これがないとタガネで叩いたりする際に変形してしまいます。

かなり石の数があるので気が抜けない時間が続く…


なんとか留め終わりました。
石留のための爪が硬くて苦戦しました…(少し瘦せた気がするわ)

…と、画像で振り返ると一瞬ですがそれぞれの段階で数時間、一日中同じ作業をしているような日も多く、遅々として進みませんでしたがいよいよ山場は超えました!
次回は完成の姿をお披露目できるでしょうー!


行きつ戻りつしながら制作しているアジサイのリング。
試行錯誤の度が過ぎてゼロからのスタートを切ったりしていました…

死屍累々とはこのことでしょうか
並べても分からないくらいの違いかも知れませんが、その積み重ねで生まれる美しさがあると信じてる!

おかげでついに納得のいく原型ができました。


花の一つひとつの中央には石留めをするので爪を作成してあります。
微細な造形はこの後に控える、鋳造という工程で埋まりがちなので、金属に置き換えてから最終的に細工を加えます。

原型は樹脂などの組み合わせで出来ていますが、
これを金属に置き換えるには型を作成しなくてはなりません。
そしてそのままの形では型から抜けないので花の部分、リングの部分に分ける必要があります。


この枠の中に液体シリコンを流して…


圧力と熱を掛けながら硬化させることで、気泡を消して型を作ることができるのです。


無事に硬化して型の完成!
ではなく、この状態ではまだ使えません。閉じ込めただけですよね!
これをメスで切り開きます。


断面がガタガタしているのは位置合わせのため。
メスの動かし方でこのようにすることができます。


無事に切開できました。
これでようやく型の完成です!
いよいよ原型作成から鋳造というステップに進むことができました!(長い道…)




進めておりますアジサイのリング。
直感的に作成したゼロ号機の気になるところを変更しながら、実際の完成品に近づけていく作業をしています。


画像の試作ではCZを入れてあります。実際には色石を留めていきます。


データでの試行錯誤では、現実には実現しない部分も可能であるかのように見えてしまいます。
たとえばこの花と花の間、細い隙間から奥の花が見えている、という仕組みにしてありますが、実物を制作する過程ではほそーい隙間なんて埋まってしまうのです。
(もしかして上手くいくんじゃと思ってやってみましたがやはり無理でした笑)


一直線に完成に進んで行ければいいのですが、なかなかそうもいきませんね…
全方向に進める道があるので少し進んでは引き返しという感じです。子羊状態。




でもこれでかなり見えてきました!
やっぱりこうじゃないな…ということが!
あとあそこもやっぱりもっとこうだった!








一点物でアジサイの指輪をお作りすることになりました。
大切な記念のお品となりますので、全力投入で進めていきます!





イメージデザインはこのようなもの。
天然石を散りばめて、アジサイの色の印象を作ります。


ご存じのようにアジサイは小さな花が沢山集まっている構造ですが、じつは花だと思っていたものは装飾花と言われ、本当の花は奥に小さく存在しているものだそうです。


分解すると確かに花のようなものの痕跡がありました。


印象としてはこの花の集合体ですよね。
ここの中央に石を留められるように進めていきます。


裏側の構造が悩ましいところ。



アジサイの印象を残しつつデフォルメや強調などをした上で、指輪としての使いやすさも必要です。
その辺りの試行錯誤に時間がかかることが予想されますが、まずは一歩を進んでみることにします。(結構大事)
これは3D CADにて制作した第一弾というかゼロ号機的なもの。
実物があると、ここがこうだなとか、こうじゃないなとか見えてきます。




特別な表面の表情を作るためのタガネ。
作業の前には研ぎ直しますが、固すぎて一時間近くかかる・・。
タガネの準備が出来たら、やっとスタートです。