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雪は天からの手紙、と言う言葉があります。
結晶が生まれた世界によってそのかたちが変わるので、寒空のはるか遠くを知ることが出来るのです。



夜空に輝く星々の光が、この目に届くまでに何億年もかかっているように、
小さく生まれた雪が少しずつ大きくなりながら静かに舞って地表にやってきたころには、
その上空の世界はもう変わっているのかもしれないけれど、
誕生の秘密はそこに痕跡として残っている。



消えてしまった手紙の文字を拾う方法を知りたいと思いませんか?



雪の結晶が知っている物語を、ささやくように教えてほしい。



そんな気分で作りました。



小さく輝くスワロフスキーを散りばめた石付きと、
どこか素朴な、石のないデザインで仕立てました。


それぞれ違うかたちをしている雪の結晶をイメージして、
左右でほんのわずかに違うデザインになっています。


久しぶりに大き目のオブジェを作らせていただきました。
結婚式に合わせてのご注文です。
オブジェといっても結婚指輪を置くところがある、リングピローになっているのです!

式では、「紡ぐ」という言葉をテーマにされているとのことでした。
細い一本の糸をつむいでもっと強い糸を作るように、人と人との関係性はもちろん、音や場所、何かが出会うことで新しいものが生まれるという、そのことをコンセプトにした結婚式とのことです!

象徴的ではありますが明確なテーマでしたので、今回は僕もそのことをコンセプトに進めました。
ラフデザインとともに言葉でも考えていきます。


誰かは小さな球体を手に取って転がして、小さな音をたてた。
他の誰かはくるくる回して、また違う音をたてた。
もう一人は丸い板を叩いて、繰り返しの音をつくった。

誰かがそこにいることで完成するような、終わりのない瞬間を。





アナログな動きのある要素を取り入れて、小さな球を転がして音を出したり、叩ける場所があったり。
造形的な面白さも大事にしながら、実際に誰かと遊べる自由度みたいなものを考えていました。


0から何かを作るということは、全方向に迷う道があるので、探りながら作ります。
なので時間がいくらあっても足りない・・
まだ気持ちに余裕があったころの、この写真を最後に記録は途絶えます




優しいお二人に甘えながら、ほんとうにギリギリまで制作させていただきました!
他にオンラインショップなどからいただいていたご注文も、納期を長くしてもらったりして、なんとか完成しました・・。
みなさんその節はご協力ありがとうございました笑







濃厚な時間をこのオブジェと過ごしたので、いまだにまぶたの裏に焼付いたように残っています^^ ちょっと喪失感・・。
結婚式が終わった後も、大事に使ってくださるとのことで、なんだか感無量です!
お二人の門出に乾杯な気持ちで朝焼けを見ました!笑
ほんとうにおめでとうございます!













ながーい構想時間をかけ(いつものこと!?)、やっと新登場です!
厳選したOBAKEの絵から、三種類をバッグに印刷しています。



「こんにちは」
ピンポンが鳴って、ドアを開けてみたらOBAKEがやってきました。
お届け物があるんだそうな。




「電気をつけて」
暗いところが怖いOBAKE君。自分で明かりをつけています!カチリ。




「三人です」
いらっしゃいませ!何名様ですか?
二人とひとり。




どのバッグも、裏にはOBAKEのスタンプを入れています。


印刷で入れても良いかなーと思っていたんですが、
インクがかすれたりするのがアナログで可愛らしいので、一つひとつ手作業で押しています!


A4のクリアファイルがちょうど入るサイズです。




久しぶりに宮沢賢治の代表作、銀河鉄道の夜を読み返しました。
主人公ジョバンニが、透明な硝子のような緊張感と不安に包まれていた日々の中で、ある日、つかの間に見る夢。
夜の鉄道の、その青いびろうどの腰掛の向かいに居たのは親友のカムパネルラで、二人一緒に途中乗車の乗客たちの物語に触れるのです。
物語の核心部分で次の一節があります。

- - - - - - - - - -

「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう」ジョバンニが云いました。
「僕わからない」カムパネルラがぼんやり云いました。

- - - - - - - - - -



溺れた友人を助けるために川に入ったカムパネルラは、宮沢賢治自身にも被って見えます。
終わりのない夢のような情景の中にある、賢治がこう生きたいと考えた少年たちの姿。
そして天上にいるというカムパネルラのお母さんや臥せっているジョバンニの母、漁に行ったまま予定を過ぎても帰ってこない父。
「もう駄目です。落ちてから四十五分たちましたから。」ときっぱりというカムパネルラの父親なんて、まるで戸棚の奥にしまってあった標本を見てしまったような、恐ろしささえ感じさせます。

銀河鉄道の夜という作品は原稿に空白部分があって、未完成という状態です。
未完ということも相まって、賢治すらも見通せないほど大きく、実体がつかめないけれど確かにそこにある何かが描かれているように思えるのです。



そんな奇妙なリアリズムとファンタジーの結晶といえる銀河鉄道の夜。
この作品をテーマに、かたちにしようと思ったものの、気になる場所が多すぎて、どこを掴めばいいのか分からないまま時間が過ぎていきました。
何度も読み返すうち、強い印象ではないけれど、ジョバンニとカムパネルラが二人の世界を信じているように思えてくる箇所が胸に留まるようになりました。


- - - - - - - - - -

カムパネルラが河原で指で砂をきしきしさせながら夢のように、「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えている」と云い、
ジョバンニは走ってその渚に行って、水に手をひたしました。
けれどもあやしいその銀河の水は、水素よりももっとすきとおっていたのです。
それでもたしかに流れていたことは、二人の手首の、水にひたったとこが、少し水銀いろに浮いたように見え、その手首にぶっつかってできた波は、うつくしい燐光をあげて、ちらちらと燃えるように見えたのでもわかりました。

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謎は謎のまま味わうことにしました。
小さな鉱物の輝きのような、銀河鉄道の夜のイメージの指輪です。






春の鴨川でなずなを見付けてから、少しずつ進めていたブローチがやっと仕上がりました。



なずなは可愛らしくも複雑で面白いかたちをしています。
摘んで帰ると小さな植物はすぐに元気がなくなってしまうので、じっくり見られる時間は意外と少ない・・。



いろんな場所でなずなを見付けては、成長と共に変わるかたちに感心していました。



丸い太鼓のようだった種子の部分は、花が咲くころにはちいさなハートのかたちになる。









飾らない美しさは、シンプルにすることで伝わるものだと思います。





金具も無駄のない造形で、なおかつ針先をロックできるタイプを使っています。