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やあこんばんは。ウケンムケンです。
今夜は新企画!ウケムケ図書室がスタートしますよー。
姿勢を正したくなるような感動をくれる本、思わずギャフンとなる美しい理論を見れる本。
よい本は沢山の疑問と、その答えを探す方法を教えてくれます。
読書の時間がない?電車の中や布団の中、お風呂の中や渋滞している車の中・・。そう、時間は作るものですよん!

記念すべき第一回目はこれにしましょう!ルーマーゴッテン作、ねずみ女房です。


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日々の雑多な仕事に追われて忙しく生きている、ごく平凡な一匹のねずみが主人公。
{このねずみは、ほかのめすねずみのすることを、みな、しました。}
というだけあって、巣をつくり、たべものを集め、ほかのねずみと遊ぶ。見かけも仕事も他のねずみと同じです。

それでもこのねずみは他と違うとゴッテンさんは書く。
{めすねずみには、何がほしいのかわかりませんでした。でも、まだ、いまもっていない、何かが、ほしかったのです。}
住んでいた家を全世界だと思いつつも、窓辺に登って外の景色を見る。
季節が変わるごとに変化するその様子を、何なのか分からないけれど、ひげをガラスに押し付けて見ていたといいます。

このねずみにはだんなさんがいました。
「これいじょう、何がほしいというんだな?」
「おれはチーズのことを考える」、「おまえも、どうしてチーズのことを考えておられんのかね?」

そんなある日、住んでいた家にきじばとがやってきます。
それは森でつかまえられたもので、金色のおさら付きの金ぴかの鳥かごに入れられて居間に飾られました。
はとは低くて静かな声で、窓の外の世界の話、そして飛ぶということをめすねずみに教えてくれたのでした。

赤ん坊が産まれたりしていっそう忙しくなっためすねずみは、久しぶりにはとのもとを訪れ、ながい間、一緒にいました。
はとのキスと、ねずみの涙。
そしてその夜、めすねずみは閉じ込められたはとを逃がすのでした。

窓の外へ飛び出したその姿をみてめすねずみは思います。
「ああ、あれが飛ぶということなんだわ。これでわかった。」

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この本の素晴らしいところは、うまく掴めない気持ちを言葉にできているところだと思います。
おすねずみの主張も間違ってはいないし、めすねずみの行動も共感できる。
頭では分かっているけど、こころはもやっとした場所にある。でもその中に光っている、間違いないと思える部分、それがめすねずみの場合は、はとを逃がすことだったんだと思うんですよね。
それともう一つ、僕の好きな部分は
{めすねずみは、ねずみ流にしか考えられませんでしたが、はとの気もちは、わかりました}
という箇所です。
たしかにそうだ。誰かの気持ちを推し量るとき、それはあくまでも自分流なんだよなー。

長々と書き連ねましたが、この本は僕の一番のおすすめなんですよ。そのくせどこが良いのかうまく説明できない・・
感情の根元のほうに語りかけてくる物語な気がします。近すぎて見えづらいんだといえましょう。
手元にある日本版では初版は1977年。30年以上読み継がれている名作です!










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この記事コメント

他人の気持ちを完全に理解することは出来ない・・。
これは間違いありません。でもそれはスタート地点が明らかになったということであって、あきらめではないんですよね。
相手の気持ちを知りたいと思う感情こそ、お互いの距離を縮める第一歩というわけです。
そうなると相手に対して無関心であるということは、どうしようもなく絶対的な壁といえましょう・・
他人の気持ちを本当の意味での理解はできないけれど。想像してみることはできるという事を、ネズミでもしているのに・・・てめえら人間ときたら・・というゴッテンの血の叫びが聞こえてきますね(たぶん違う)